どうしたら不安をなくすことができますか?
・不安のメリット
・不安を避けた結果…
・不安を力に変える方法
不安はなくすべきなのか?
不安がある状態は、快適ではありません。
だから、不安をなくしたいと思う気持ちはわかります。
しかし、不安は私たち人間が生き残るために必要な感情です。
そのため、「不安」自体は悪いものではありません。
「不安をなくそう!不安はあってはならない!常にポジティブだ!」と考えることがよくないのです。
ある研究によると、スピーチを控えた数名の参加者に対し、2つのグループそれぞれに指示をしました。
・リラックスをするために「わたしは落ち着いている」と心の中で言うように指示
・不安な気持ちを受け入れ「わたしはワクワクしている」と心の中で言うように指示
結果はどちらも、不安は消えませんでした。
しかし、「わたしはワクワクしている」と言い聞かせたグループは、自信がわいてきたのです。
また、本人だけそう感じたのではなく、スピーチを聞いていた人たちも、説得力が高く、自信に溢れ、有能に見えると評価しました。
このように、不安をうまく利用してあげるだけで、力を引き出すことができるのです。
心理学では「チャレンジ反応」と言います。
不安をうまく利用するとどんなメリットがあるのかを簡単にご紹介します。
・自信があるように見える。
・パフォーマンスが上がる。
・テストの成績が良くなる。
・説得力が上がる。
・脳の容量が大きくなる。
・実力を発揮できる。
不安を避けると…
不安を避けるのは、安心できるだろうと思うからです。
しかし、不安の原因を避けていると、かえって恐怖心が高まり、先のことがますます不安になってしまうのです。
「不安と回避の悪循環」と言われることもあります。
不安から逃げ続けた先は行き止まりになってしまうのです。
そして、どこにも逃げることができなくなり、パニック障害につながるケースもあるのです。
心理学では「脅威反応」と言います。
不安を避けたり、不安がよくないと思っていたりすると、どんなデメリットがあるのか紹介します。
・燃え尽き症候群になるリスクがあがる
・挫折しやすくなる
・恐怖心が増す
・心臓血管疾患のリスクがあがる
・実力を発揮できない
・集中力が下がる
不安をパワーに変える
不安を力に変えるにはどうしたらいいのでしょうか。
いくつかあるので、先に紹介して、後ほど解説します。
・マインドセットを変える
・強みを認識する
・ネガティブ感情を受け入れる
マインドセットを変える
不安を力に変えるために研究でよく行われているのは「マインドセット介入」です。
実験の前に、不安や緊張に対する考え方を変える説明を受けます。
・不安やストレスを感じたら、体のストレス反応はかえって役に立つ
・心臓がドキドキするのは体が頑張っている証拠
・不安を感じたときは「興奮しているしるし」
・ストレスのおかげでうまくいきそうだ
・気合が入っている
・ワクワクしている
これらを事前に聞いたグループは成績が上がったり、自信が増したりとチャレンジ反応が多くみられました。
だから、ストレスを感じたときは、上記の中からどれか自分に言い聞かせるようにしましょう。
強みを認識する
プレッシャーを感じたときに、どのストレス反応が出るかを決めているのは「プレッシャーを対処する自信を持てるかどうか」です。
自分に手に負えないと思った場合は、「脅威反応」が起こります。
逆に、対処できると思えば、「チャレンジ反応」が起こります。
また、自分の持っている力や手段を認識すると、「チャレンジ反応」が起こりやすくなります。
つまり、自分の強みを認識することが、チャレンジ反応を起こす効率的な方法なのです。
それは、過去の成功体験や努力をしていること、仲間の応援などです。
これらを考えることで、脅威反応がチャレンジ反応に変わるのです。
私個人の体験としては、逆に気合が入りすぎてしまった経験があります。
だから、チャレンジ反応を出したとしても、頭は冷静にしましょう。
ただ、この方法が強力なのはよくわかりました。
ネガティブ感情を受け入れる
ネガティブ感情と闘う必要はありません。
最初にも言ったように、ネガティブ感情を持つのは正常なことなので、追い出そうとしなくて良いのです。
それを受け入れ、手懐けて、力に変えるのです。
これは、練習を必要とするテクニックなので、すぐにはできるようにはなりません。
しかし、不安以外の感情の時にも使えるテクニックです。
テクニックとしては最強なので一応紹介しておきます。
まとめ
不安や緊張などのストレスは害ではありません。
「ストレスは害」と思うことが、心の災害につながります。
研究でも出ているように、ストレス自体は体に良い効果を与えてくれます。
そのためには、マインドセットを変え、強みを認識し、チャレンジ反応を起こすことです。
難しくはありません。
心の中で唱えるだけです。
もちろん、口に出しても構いません。
出川イングリッシュのように念仏作戦でも。
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