心理学

【要約】プリスエージョン 説得できないのは相手の準備ができていないから

心理学
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ゆみさん
ゆみさん
影響力の武器を読んで実践しているのですが、コツはありますか?
くらぴょん
くらぴょん
では今回は影響力の武器をさらに効果的に使える方法を解説していこう。

今回の内容

・プリスエージョンの内容がわかる
・説得の効果的な方法がわかる
・影響力をさらに上げるコツがわかる

要約 プリスエージョン


説得は生活のどこかで必ず使っています。

・職場でプレゼンするとき
・友達と遊ぶ場所を決めるとき
・恋人と遊ぶとき
・結婚するとき
・進路を親に話すとき
・商品を売るとき
・自分の意見を言うとき

このような経験がある人も多いと思います。

では、なぜ説得できないのでしょうか。

どうやったら説得されるのかを理解していないからです。

これから、その説得の方法を解説していきます。

前準備


人を説得するには、相手との関係性が大事です。

相手があなたに対して好意や信頼を置いていないと、説得しようとしても説得されません。

人は基本的に信頼していない人の話は聞きません。

では、どのように信頼関係を作るといいのでしょうか。

基本的に使うのは、返報性と好意です。

返報性

返報性は他人から与えられたら自分も同じようなやり方に相手に返すように努めることです。

とは言っても、自分もあまり仲が良くない人に何でもかんでも与えるのは嫌だと思います。

なんでもかんでも与えたいという人は、失敗ギバーになっているので他の改善が必要なので、ここでは触れません。

では、相手に何を与えたら、効率よく信頼関係を築くことができるのでしょうか?

そもそもそのようなものはあるのでしょうか?

それは、存在します。

その特徴は以下の2つです。

・有意義で意外性がある。
・特別に用意されたものである。

この二つのどちらかを満たすと、効果が高くなります。

有意義で意外性がある。

ニュージャージー州のレストランで客の一部に、食事の後、チョコレートが提供されました。

ウェイトレスがカゴに入ったチョコレートをテーブルまで運び、1人に1つずつ配ったのです。

この場合、ウェイトレスへのチップは、チョコレートを配らなかった時より3.3%増加しました。

しかし、私チョコレートを2つにした場合、チップの額は14.1%も上昇したのです。

どうすればこの劇的な差を説明できるのでしょうか。

1つには、2つ目のチョコレートを表していたのは贈り物の規模が有意義に増大したと言うことでした。

明らかにここでいう有意義は、高価と同じ意味ではありません。

2つ目のチョコレートにかかった費用はほんの数セントです。

値の張る贈り物がしばしば有意義なものとなるにせよ、値段の高さは必須要素ではありません。

もちろん、チョコレートを2つ受け取る事は、数が2倍になっただけでなく、1つもらったときよりも意外性があります。

ウェイトレスがさらに第3の方法を試したときに、贈り物の意外性が持つ明確な影響が明らかになりました。

今度はチョコレートを1つ籠から逆に私、一旦テーブル離れた後、不意にその程度に戻ってきて、客の1人に2つ目のチョコレートを渡してみました。

その結果チップの平均額が21.3%も上昇したのです。

意外性を付け足すだけで、より高い利益を得られる場合があります。

特別に用意されたものである。

女性や好み、置かれている状況に合わせて作られたものである場合、その効果にはてこの力が加わります。

証拠としてあれファーストフード店で起こった出来事を検討してみましょう。

客は店に入ったときに挨拶を受け、2種類のプレゼントのどちらかを渡されました。

プレゼントが食べ物と関係ないものだった場合、客が店で使った金額は挨拶をされただけでプレゼントをもらえなかった客より12%高くなりました。

ですが、プレゼントが食べ物と関係あるものだった場合、使った金額は24%も上昇したのです。

今まで、2つの特徴を満たすと効果が高まることを見てきましたが、この2つ合わせるとより強力になります。

好意

好意を持ってもらうには、類似性とお世辞が大切です。

類似性

逆の話し方を真似するように指導されたウェイトレスは、チップの金額が2倍になりました。

相手と同じことをするよう指示された交渉人は、結果が目に見えて良くなりました。

顧客の言語様式と非言語行為(ジェスチャーやポーズ)を真似した販売員は、勧めたオーディオ製品を買ってもらえる確率が高まりました。

類似性を強調する、「似てるよね〜」と言うことで相手からの好意が高まります。

こちらでも好意について解説しています。

番外編

好意を高めるには、説得をする前の雑談がとても大事です。

想像して欲しいのですが、初めてあった人に買い物するお金が500円足りないので貸してくさいと言われるのと、仲良くなった人に言われるのどちらに貸すと思いますか?

仲良くなった人だと思います。

初めて会った人に貸そうと思う人はほとんどいないと思います。

私も以前駅のホームで言われたことがありました。

自分も最寄りの駅で降りた時に女性に「買い物するお金が足りないので、500円かしてくれませんか?100円でもいいので」と聞かれました。

その時、クレジットカードしか持っていなかったのと、急いでいたのとで渡せませんでしたが、思わず心の中でツッコんでしまいました。

「電車に乗るお金はあるのかい」と。

しかし、もしこれが好意のある人であれば貸していたと思います。

例えば、これが子供だったら、貸していたと思います。

何が言いたいのかというと、好意のない人に説得されても聞かないのです。

だから、雑談をして好意を持ってもらう必要があるのです。

好意を持ってもらうなら、雑談じゃなくていいんじゃない?と思う方もいると思いますが、雑談は好意を高める要素が盛り沢山なのです。

一つ例を挙げましょう。

雑談をすることによって、相手の接触する回数が増えます。

相手と触れ合うとそれだけで、好意は高まります。

なぜでしょうか。

単純接触効果が働くからです。

単純説得効果

アメリカのノートルダム大学が男女200万人を対象に行った研究で、相手の好意を維持する接触回数、好意が増す接触回数、好意が減る接触回数が明らかになっています。

分岐点は、15日に1回でした。

最低でも、15日に1回のペースで接触しないと好意は薄れていく、逆にそれ以上の頻度でコンタクトを取っていると好意は増していきました。

ただ、毎日会わない人もいるし、一度しか会わない人もいるんだという人もいると思います。

大丈夫です。

好意を持ってもらう方法はあります。

それはシュムージングと会話スターターです。

シュムージング


シュムージングとは、本題の前に自分のことをネタにした雑談を挟むことです。

どんな内容のことを入れるといいのかというと、私がお勧めするのは以下の3つです。

・人生で幸福を感じること、自分が楽しいこと
・自分の趣味や興味
・恥ずかしかった体験や罪悪感を覚えた体験

これらの話を雑談でするといいです。

なぜ、この3つを勧めるのかというと相手に好印象を残せる雑談をすることができるからです。

相手に好印象を残せる雑談が会話スターターと言われるものです。

会話スターター


会話スターターとは、心理学の世界で会話の冒頭に関する話題のことです。

世界的な国際支援団体のメルシーコープが行った研究では、300人の男女を集め、ランダムにペアを組んでもらって、3分間雑談をすると言う実験を行いました。

この研究の結果、明らかになった雑談が盛り上がりやすい会話スターターランキングベスト3があります。

1.今日、何かいいことありましたか?
2.あなたが熱心に取り組んでいる活動はなんですか?
3.最近、何かワクワクするような出来事はありましたか?

これらをみてもらうと、わかるように

・人生で幸福を感じること、自分が楽しいこと
・自分の趣味や興味

2つの結びつけやすいと思います。

例えば、

・今日、何かいいことありましたか?
・最近、何かワクワクするような出来事はありましたか?

この2つは、自分が幸福に感じること、楽しいことに繋げやすいです。

・あなたが熱心に取り組んでいる活動はなんですか?

この質問は趣味に結びつけやすいです。

あなたがハマっている趣味はなんですか?

でも、いいと思います。

重要なのは、相手の感情を引き出すことです。

なぜ、感情を引き出す必要がるのかというと、感情を込めて自分に起きたエピソードについて話し、聞いてもらうという行為が脳を興奮させるからです。

その興奮度合いについては、ハーバード大学が脳波の動きを計測する機器を使った実験で、「おいしい食事を楽しんでいる時」や「お金をもらった時」と同じくらいだということを示しています。

だから、相手の感情を引き出すことが大切なのです。

まだ、解説していないおすすめのシュムージングを覚えていますか?

「恥ずかしかった体験や罪悪感を覚えた体験」をまだ解説していません。

この内容は雑談の最初ではなく、もっと話に深みを出したいときに使いましょう。

想像してもらうとわかると思うのですが、初対面の人にいきなり、「一番後悔していることはなんですか?」と聞かれたらびっくりしますし、「なんだこいつは」となると思います。

だから、話が盛り上がってより深みを出したい時に使うのです。

使い方としては、

・一番後悔していることはなんですか?
・やり直したいことはなんですか?
・あの時これをしておけばよかったなと思うことはありますか?

など、試してみてください。

大事なのは途中でも言いましたが、相手の感情を引き出すことです。

これで、雑談はできるようになりましたが、うまく自分も自己開示しないと相手も心を開いてくれません。

そもそも、シュムージングとは、本題の前に自分のことをネタにした雑談を挟むことなので、自分の話をしなければなりません。

自分が話してから、相手に聞くのがいいでしょう。

そうすることで、自分が聞きたいことを相手に話してもらうことができます。

例えば、相手に恋愛で後悔していることを聞きたければ、自分が恋愛で後悔していること話すのがいいです。

他にも、勉強しておけばよかったという後悔を引き出したければ、自分が勉強してなくて後悔していることを話すと相手も話しやすくなります。

話す量の目安は4:6です。

あなたが4割話して、6割は相手に話してもらうのがベスト。

人は基本的に自分が話している時に気持ちよくなるので、好意を持ってもらうためにはこのくらいの量を目安にしましょう。

これで、説得する前の準備は完了です。

次に説得する直前を解説していきます。

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下準備(プリ・スエージョン)

人を説得するためには、相手が説得する直前にどういう状態であるかが非常に重要です。

一つ例を挙げましょう。

ある男性はコンサルティング業を行なっていました。

何年ものあいだ、彼が大きな案件で見積もりを出すと、10〜15%値引きした金額を逆提示してくることがよくありました。

しかし、値切られることを見込んであらかじめ見積額にその分を上乗せしておくというやり方は、彼の性にはあいませんでした。

しかし、あるプレゼンテーションでたまたま妙案を思いつき、それ以来、2度とこの問題に煩わされなくなりました。

その案は、見積もり金額を提示する前に「このサービスで100万ドルいただくわけにはまいりません」とジョークを入れました。

何が言いたいのかというと、受け手がメッセージに合う前に、それを受け入れる気になる行為をする必要があるということです。

では、どのように下準備(プリ・スエージョン)をするといいのでしょうか。

関係性の強調

人は誰よりも自分のことに興味がある生き物です。

どれだけ、メリットを話しても、説得できないのは相手の興味があることと関係性がないからかもしれません。

例えば、あなたのお客さんががいい車に乗って、綺麗な女性とデートすることが目的で車を見に来ているとしましょう。

ここで、どれだけ燃費の話をされても相手に刺さらないのはわかると思います。

どの車に乗って女性とデートするとどうなるのかや実際できるのかが知りたいわけです。

つまり、どの車に乗って女性とデートするとどうなるかというストーリーが必要なのです。

これを話すことで、自分と関係のあることだと思うので、相手も興味を持って来てくれるようになります。

お願いの前に質問をする。

あなたが今マリトッツォを食べたいとしましょう。

この時に、いきなり「マリトッツォを食べに行こ」と誘うのではなく、一度質問を入れます。

その質問は

・甘いもの食べたくない?
・甘いもの好き?
・フルールは好き?

など、聞いて「Yes」をもらった後に、「マリトッツォを食べに行こ」と誘うと、応えてくれる可能性が高くなります。

コミュニケーション学者のサン・ボルカンとピーター・アンデルセンによって実施された実験を見てみましょう。

彼らは通行人に声をかけて、ある調査の協力を食べました。

ショッピングモールやスーパーマーケットでクリップボードを持った調査員に呼び止められて、少しお時間よろしいでしょうか?と言われた経験は誰にでもあるでしょう。

この実験の場面の設定はあれとよく似ています。

スーパーマーケットなどにいるそうした調査員と同じく、科学者達も散々な目に遭ってしまいました。

呼び止めた相手が調査への協力してくれた割合は、29%にしかなりませんでした。

第二の調査対象グループどうした通行人を呼び止め、まずは下準備的なオープナーを用いて会話を始めました。

「あなたは人助けができるタイプですか?」と尋ねられた相手はほぼ全員がちょっと考えた後、「ええ」と答えました。

その特権的瞬間、つまり、自分は人助けができるタイプであると実験参加者が自ら確認し、研究者に対して認めた後、すかさず研究者たちは調査への協力を依頼しました。

すると今度は77.3%の人から協力を得られたのです。

承諾率が3倍近く上がっています。

注目させる。

こんな経験はないでしょうか。

授業中に先生に「ここ注目だぞ、ここ注意しろよ」と言われた経験ないでしょうか。

これをいわれると、ここ大切なんだなと思い、先生の話により耳を傾けたり、必死にノートを取ったりしませんでしたか?

これは心理的にとても参考になります。

私たちは、その場で注意を向けている対象を非常に重要だとみなします。

その理由の1つは、その対象がその場において非常に重要である場合が多いからです。

例えば、フロリダのディズニーに行きたいのなら、他のディズニーを考えさせることなく、フロリダのディズニーについて話すのです。

すると、相手はフロリダのディズニーが優位になるので選びやすくなるのです。

説得する

いよいよ、説得する準備が整いました。

ここでしてほしいことは、行動しやすい方法を提案することと相手の背中を押すことです。

相手は、不確実なことは選べません。

なぜかというと、人は損失回避バイアスがあるからです。

人は得よりも損を避けるようにできています。

だから、不確実なことがあると、損失回避バイアスが働いて動けなくなってしまいます。

では、どのようにするのがいいのかというと「みんなやっていること」を伝えます。

社会的証明の原理を使って、みんながやっているから、あなたにもできるよと力を与えてあげる必要があります。

もう一つ、力を与える方法があって、相手の過去と現在を比較して成長と変化を指摘します。

相手がこれらを再発見できた時、やる気が一気に高まるからです。

これをすることによって好意を相手は持ちます。

だから、相手が自信を持つようなことを言って背中を押してあげることが重要なのです。

あなたが言っても伝わらない時もあるでしょう。

そんな時は第三者の権威を借りましょう。

人は第三者の意見を信じます。

ウィンザー効果と言います。

わかりやすいのが、クチコミやレビューです。

さらに、ここに権威を付け足すとより強力になります。

誰が勧めていても、芸能人が勧めている方が信憑性もあり、行動を起こしやすいと思います。

だから、あなたは「〇〇が〜と言っていたよ」と第三者の権威を借りて、話すことが大事なのです。

まとめ

説得できない人がどのように説得したらいいか、理解していただけたでしょうか。

詳しい内容は、記事の中のリンクにありますので、ぜひそちらも合わせて読むと理解が深まると思うのでやってみてください。

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