・話し方のコツ
・人の心が動かない理由
心理的リアクタンス
心理的リアクタンスとは?
心理的リアクタンスとは、自由が奪われた、奪われそうになっていると感じた時に生まれる不快な状態です。
親に「宿題やりなさい」と言われて、やる気を無くした経験ありませんか?
人は何かを制限されると、自分の自由を奪うものに対して反発します。
自由を奪う発言は大きく分けて2つあります。
・何かを禁止された時
・何かをするように命令された時
簡単にいうと、「押されたら押し返す」仕組みが心に備わっているのです。
押し返す理由は、自由を取り戻す1番簡単な方法だからです。
影響力の武器の希少性の原理が働く理由も同じです。
自分でコントロールできる(自由が奪われる)感覚がなくなる前に手に入れたい(押し返す)と思うため、希少性の原理は効果を発揮するのです。
説得は相手自身にさせる
影響力の武器の一貫性の原理で紹介しているように、人が自分の行動にコミットするのは自分で決めた時です。
つまり、相手が自分で自分を説得するようにするのです。
そのためにおすすめの方法は2つです。
・理解から始める
・選択肢を与える
克服する方法
理解から始める
相手の理解に努めることで、相手の信頼を得ることができます。
信頼は人を動かす上で一番重要と言っても過誤ではありません。
そこで役立つのが「動機付け面接」と呼ばれるものです。
気になる人はこちらの本がおすすめです。
選択肢を与える
よく、デートに誘うときは「行くか行かないか」ではなく、「どっちに行きたいか」を聞きなさいと言われます。
それは、相手がデート行ってくれる確率が高くなるからです。
これは、相手に自分の意見を取り入れてほしいときや動かしたいときも有効です。
選択肢を与えることで、相手は自分で選んでいる感覚を得ることができます。
しかし、この選択肢を与えるのは相手を理解してからするのがおすすめです。
理解した上で選択肢を与えることで、相手が「自分で選択肢を考えた」という感覚を持つことができるからです。
保有効果
保有効果とは?
人はすでに持っているものややっていることに対して過大評価する傾向があります。
心理学では「現状維持バイアス」と呼ばれます。
現状維持バイアスが働くのは人が変化を嫌うからです。
変化すると不確実性が高くなります。
不確実性については後ほど解説します。
不確実性が高い状況では人は、損失に注目しやすくなります。
損失回避
人は何かを「得る」より、「失わない」方を選びます。
数字でいうと、損失による心理的ダメージを打ち消すには、利得を2.6倍にする必要があります。
つまり、人を動かすには利得も大事ですが、損失にも目を向けさせる必要があります。
克服する方法
保有効果を克服するためには、「何もしないことによるコスト」に目を向けさせましょう。
例えば、プレゼンをするときに、プレゼンするもののメリットとデメリットを話します。
しかし、それだけではなく、プレゼンしたものを「取り入れなかったらどうなるか?」も話すべきです。
そうすることで、現状維持バイアスを克服しやすくなります。
心理的距離
心理的距離とは?
人は自分とはかけ離れたものには反対したり、興味を示したりしません。
例えば、募金をお願いするときは、自分と共通点のある人の方が募金をしやすくなります。
共通点のある人は自分にとって近しい存在であり、かけ離れた人ではないと認識するからです。
確証性バイアス
事実で人の意見を変えることは難しいです。
もし、簡単であれば、太っている人はいません。
全員健康管理するからです。
人は自分の考えと反する事実を突きつけられると、意見を変えるのではなく、自分の考えが正しいことを裏付ける証拠を探します。
これを確証(性)バイアスと言います。
克服する方法
・小さいお願いから始める(フット・イン・ザ・ドア)
・譲歩して、譲歩してもらう(ドア・イン・ザ・フェイス)
・共感ポイントを探る
相手を説得しようとするときに、一方的に説明をするのではなく、お互いの願望の共通点を見つけることが大事です。
ドラゴン桜2の原健太は発達障害(?)で特定の分野についてはものすごい記憶力と集中力を発揮します。
原健太の場合は昆虫でした。
それ以外の分野(国語や数学など)は致命的にできませんでした。
しかし、桜木先生が数学などが昆虫を研究するのに役に立つとあアドバイスを送ったこともあり、主要5科目の成績をあげ、東大に合格しました。
2人の願望の共通点を桜木先生がつなげたから生まれた結果です。
このように、お互いの願望の共通点を見つけることが確証性バイアスを克服する方法です。
・小さいお願いから始める(フット・イン・ザ・ドア)
・譲歩して、譲歩してもらう(ドア・イン・ザ・フェイス)
こちらの2つはこちらの記事で解説しています。
不確実性
不確実性があると…
人は不確実な要素が多いと行動することができなかったり、行動を変えてしまったりすることがあります。
人は不確実が嫌いな生き物だからです。
例えば、
・100%の確率で10万円もらえる
・90%の確率で12万円もらえる
これら2つの選択肢があった場合、多くの人は「100%の確率で10万円もらえる」方を選びます。
また、スタンフォード大学の研究によって、不確実性が行動の抑制(一時停止)をしていることがわかっています。
人に行動をしてもらうには、不確実性をなくすことができなくても、限りなく0に近づける必要があります。
克服する方法
・お試しを簡単にできるようにする
・取り消しを可能にする
お試しを簡単にできるようにする
手軽に試すことができるようにしたら、人は安心して行動することができます。
例えば、「〇〇日間無料」や「スーパーの試食」です。
こうすることで、興味がなかった人も引き込むことができます。
また、一部無料で、サブスクに入るとアップグレードできるようにするのも効果的です。
取り消しを可能にする
取り消しも同様に安心感を与えます。
例えば、「5年保証」や「効果がなければ返金します」などです。
こうすることで、もしダメでも大丈夫だと安心して、購入することができます。
補強証拠
補強証拠とは?
人は疑い深い人も多くいます。
そういう人には、あなたの意見や考えが正しいことを伝えるための証拠が必要になります。
わかりやすくいうと、ひろゆきさんに「それってあなたの感想ですよね。」と言われないようにする必要があります。
例えば、メンタリストのDaiGoさんは、結論を言った後に、必ず研究によって得られた証拠を話します。
こうすることで、情報の正しさが伝わり、人が行動しやすくなるのです。
克服する方法
・誰の影響力がもっとも大きいか
・いつ提示するか
誰の影響力がもっとも大きいか
人が影響を受けやすいのは、類似性と多様性(社会的証明の原理)です。
詳しくはこちら
いつ提示するか
誰かに何かを薦めたいときは1度だけではなく、何度もすすめるのが効果的です。
それも短いスパンですすめる必要があります。
私の経験ですが、「鬼滅の刃」を友人に最初にすすめられたときは正直見るつもりはありませんでした。
しかし、友人が何度もすすめてくるので、アマプラで見れたので少しだけのつもりでみたら、最新話までリアルタイムで見るようになりました。
他にも、「君の膵臓を食べたい」もすすめられました。
もちろん最初はこれっぽちも見るつもりはありませんでした。
しかし、何回もすすめられるうちに「ちょっと見てみるか」とみるようになったのです。
このように、何度も短いスパンで提示するのが大事です
また、組み合わせるとより効果を発揮します。
自分が複数提示するのではなく、他の誰かにも提示するようにしてもらうとより効果は高まるでしょう。
まとめ
人が意見を取り入れられない理由は5つありました
・心理的リアクタンス
・保有効果
・心理的距離
・不確実性
・補強証拠
これらをうまく活用することで、あなたの話は伝わりやすくなります。
ぜひ参考にしてください。
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