こんにちは、くらぴょんです。
今回のテーマは「方法は一つではない」です。
一つのことにこだわる都市伝説
「1つの事を極め抜け」
善逸を育てたじぃちゃんがかけた言葉です。
一つのことにこだわるのは魅力的で、英雄のようにも見えます。
お笑いの偉人「志村けん」さんもこだわることが大事だと言っています。
この人が言うから説得力があります。
では、本当に一つのことにこだわることは大事なのでしょうか?
グリッド(粘り強さ)はマイナス効果
アンジェラ・ダックワースという心理学者をご存じでしょうか?
彼女はTED トークで「成功のカギは、やり抜く力」というテーマでスピーチをしたことによって一躍有名になりました。
また、彼女の著書「GRIT」も30万部超えるベストセラーにもなっています。
やり抜く力は目標を達成したり、最後までやり遂げたりするときに必要な力であることは間違いありません。
しかし、グリッドが高すぎても問題なのです。
どんなデメリットがあるかと言うと
・知識や経験の幅が広がらない。
・自分に向いてないことを続けてしまう。
です。
これからの時代はレンジ(知識の幅)が大事だと言われています。

それなのに、なぜこれほどグリッドが大事と言われるのでしょうか?
グリッドが大事だと言われる理由
50代、60代の人が20代、30代の時はこれほど変化が激しくなかった。
知識の幅は変化が激しい時代(状況)では重要です。
キングダムを見たことがある人はわかると思いますが、戦(いくさ)は激しく状況が変わります。
激しく状況が変わるときにはこれまでの戦の歴史や戦略、相手の情報、地形など幅広い知識が重要です。
ですが、シンプルな一騎打ちの時は戦に比べれば必要な知識は少なく、力・スピード・技術・精神など限られた特徴を極めたものが勝ちます。
50代、60代の人が20代、30代の時はシンプルな一騎打ちのようなものだったと考えられます。
つまり、知識の幅ではなく、いかに他の人より抜きん出るかが重要だったのです。
抜きん出るには人よりも一つのことを極めることが重要です。
その証拠に、2002年より前の通知表はどもの成績を比較しランク付けして評価するという「相対評価」で決められていました。
他の子供より極めることが、その後の人生に大きく影響していたからと考えられます。
やり抜く力は成績上位に入った人は自分の経験で重要だと感じているはずです。
また、成績上位に入らなかった人ももう少し頑張っていればと考えるでしょう。
そうなると、やり抜く力は大事だと考えてもおかしくないはずです。
よって、50代、60代の人がやり抜く力の重要性を誇張しているのでしょう。
アンジェラダックワークスの研究を鵜呑みにした人たち
彼女の研究によって、やり抜く力が子供の成績を上げたり、陸軍士官学校を卒業する学生は高いと報告されました。
これによって、成功するにはグリッドが大事と証明されました。
グリッドが成功に導くのだと確信してしまったのです。
しかし、肝心なことを忘れています。
どんなことも「状況によって真偽は変わる」ということです。
グリッドが重要な時もあれば重要でない時もあるのです。
私もグリッドが重要なときもあると思っています。
しかし、全ての人に常に当てはまるわけではありません。
まだ、幅を広げる段階の人もいれば、あらゆることを経験し自分の得意なことを見つけている人もいます。
前者の人であればグリッドはそこまで必要ありませんし、後者であればグリッドは必要です。
平均的な人間はいない
私たち人間は何かに突出していたり、劣っていることが必ずあります。
全てが平均的な人間などいないのです。
ノーマという像をご存知でしょうか?
15,000人の若い女性の平均サイズ(身長やバストなど)を計測して作られた像です。
1940年代に理想の女性の体型とされていてコンテストも開催されました。
体の全てのサイズがノーマに一番近い人が優勝します。
コンテストの審査員はほとんどの女性がノーマの体型に近くミリ単位の接戦になるだろうと予測していました。
しかし現実は違いました。
3864人の参加者のうち対象となった9つの部位のうち5つに限定しても平均に収まった人は40人にすぎませんでした。
全ての部位で平均的な女性は1人もいなかったのです。
誰もが違う才能を持っているのです。
だから、あの人ができるから自分もできると思うことが間違いなのです。
ですが、あの人にできるなら自分もできると勘違いしグリッドを発揮させてしまうと思いもよらぬ落とし穴にハマります。
あなたは時間とお金だけ吸い取られる養分になってしまうこともあるでしょう。
誰かと比べるのではなく、自分は何が得意か好きかで選ぶ必要があります。
なんでもいいから世界一になりたいという少年がいたとします。
彼は水泳が大の苦手です。
でも、なんでもいいから世界一になりたいからバタフライを練習してるんだと言われたら、「水泳じゃなくて良くない?」となります。
目標を達成する方法は一つではありません。
一つのことを極め抜くのは今である必要はないのです。
常に前提を疑え
これからの時代は最初にも言ったように変化の激しく手段が無数にある時代です。
大事なのは常に前提を疑うことです。
自分がやっていることは正しいのか、代替手段はないのか常に考えましょう。
考え直すことが、最短ルートになります。
アダムグラントの「THINK AGEIN」によると考え直す数が多い人ほど正確な判断ができるそうです。
グリッドを発揮するのはここです。
考え直すことにグリッドを発揮するべきです。
考え直すことが、極め抜く価値が一番あるのです。
まとめ
なにかを極めたり、やり抜こうとするときには必ず自分の判断は正しいのか、代替手段は何のかを考え直しましょう。
最低でも4回考え直すと良いと研究では言われています。
イマジネーションがあるかぎり、手段は無数にあります。
何かに縛られることなく、あなたのディズニーランドを作ってください。
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