心理学

キングダムに学ぶ大衆扇動術(リーダーの言葉の使い方)

心理学
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こんにちは、くらぴょんです。

今回は「キングダムに学ぶ大衆扇動術」というテーマで話します。

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お盆休みがあったのでAmazon Primeでキングダムを初回から最新話(シーズン4の渡河の戦いまで)観ました。

すごく面白いですね。

それと、言葉遣いや話す内容が心理学的に勉強になるなと思いましたので、今回解説することにしました。

キングダムを見たことある人、ない人でも勉強になる内容だと思うのでぜひ読んでください。

ゴールの提示


人は何かしらのゴールがある方が行動を起こしやすいです。

いつ終わるかわからないことを続けるのと、終わりがわかっていることを続けるのどちらが行動しやすいか比べると終わりがある方が行動をしやすいです。

ゴールがあることで人は行動を起こしやすくなるのです。

アキュラシーゴール

アキュラシーの意味は「正確性」です。

つまり、

・自分の行動は正しい。
・多くの人が求めていることをしている。

など、正しい行動を取りたいという人間の欲求を満たすゴールです。

キングダムに出てくる言葉

・「今まで500年の騒乱が続いた。ならば、あと500年続くやもしれん。俺が剣を取るのは、これから500年の騒乱の犠牲をなくすためだ。俺は、中華を統一する最初の王となる。」(嬴政)

この言葉を聞くと次のように思うのではないでしょうか?

・戦をするのは今後の犠牲を無くすためにやっている。
・私たちは正しいことのために戦っている。

このように、正しい行動を取っていると思わせてくれるのがアキュラシーゴールです。

ビジネスや日常生活でも同じです。

自分の行動がどんな役になっているのかがわからないと、人はやる気になりません。

例えば、子供が勉強をやりたがらない理由の一つはなんの役に立つか分からないからでしょう。

仕事もやる意義がわからないと、最悪の場合うつになる可能性さえもあります。

詳しく知りたい人はこちら

Bitly

ポジティブセルフコンセプト

ポジティブコンセプトとは、「一貫性を保ちたいという欲求」です。

「一貫性の原理」と呼ばれる心理で、人は自分が選んだもの、やると決めたもの、行動を起こしたものの価値を重視します。

一貫性の原理はこちら

キングダムの作中にも一貫性の欲求を引き出すような言葉が使われています。

「無念無念ってうっせぇんだよ!!
だいたい一番の無念は夢見てたものが幻に終わったってことだろうが!!
もしお前らが本気で死んだ奴らのことを想うなら
奴らの見た夢を現実のものに変えてやれよ!!」(信)

「ここで敵を止めねば秦国は滅亡する。
恐ろしいのは分かる。
敵は屈強でこちらは老人・女子供も多い。
戦えば多くの血が流れ、多くの者が命を落とすであろう。
だが、そなたらの父もまたその父達も同じように血と命を散らして今の秦国を作り上げた。
今の生活はその上に成り立つ。
降伏すれば、敗れれば、それらは全て無に帰し、秦の歴史はここに途絶える。
民の多くは虐殺され、生き残った者も土地を奪われ、列国の奴隷になり下がるであろう。
そなたらの子も、また次の子も。
それを止められるのはそなた達だけだ。」(嬴政)

2人の言っていることは要約すると同じです。

「祖先の行動を無駄にしないために、今行動を起こせ」

一貫性のある行動を取ろうと促している名言です。

これによって、山の民は秦国との同盟を復活、蕞(さい)の民衆は合従軍に降伏しようとしていましたが、合従軍との戦うことを決意したのです。

アキュラシーの要素も含まれてはいますが、一貫性を促しているのは間違いありません。

情報操作


私が震えたシーンは蕞(さい)の攻防戦です。

どのシーンかは見た人は既にわかるかもしれませんね。

もちろん、山の民が援軍にきたシーンです。

「奇跡が起きたぞ。俺たちの粘り勝ちだ!」(信)

山の民が来ることは嬴政と晶文君だけでした。

なぜ誰にも言わなかったか。

情報漏洩を防ぐためです。

情報を隠すのはこの時代だけではなくどの時代でも行われています。

もちろん現代でもあります。

人は出されていない情報にはほとんど気がつきません。

また、重要だとも思いません。

なぜなら、注目することができないからです。

心理的に人は注目したものが重要なものだと勘違いします。

つまり、出されていない情報は重要でない、いや、必要ないから情報を出していないと感じるのでしょう。

でも、そんなことはありません。

組織の存亡に関わる重要事項は基本は隠されています。

その情報を知るものは一握りの人間だけです。

わかりやすいのが、企業秘密です。

これは企業に限ったことではなく、国も同様です。

例えば、第二次世界大戦の日本はミッドウェー海戦での戦績をでっちあげて情報を伝えました。

簡単にいうと負けたのに勝ったと報道しました。

負けたと報道すれば、必ず日本国民から反感をかいますし、士気も下がります。

戦争をする人にとっては都合が悪いのです。

だから、情報を隠して報道をしたわけです。

類似性と共通点

「秦の命運を握る戦場に、ともに血を流すために俺は来たのだ。
…(中略)
最後まで戦うぞ 秦の子らよ! 我らの国を絶対に守り切るぞ!」

ここで嬴政が言おうとしとことは以下だと私は推測しました。

「私もあなたたちと同じ秦国の人間です。」

もちろん秦国の王様なのでいう必要もないかもしれません。

しかし、「秦の命運を握る戦場に、ともに血を流すために俺は来たのだ。」の一文がなければ、説得力は下がっていたと思います。

類似性と共通点を強調することで、説得しやすくなったり、影響を与えやすくなることは現代ではさまざまな研究で証明されています。

類似性と共通点が説得力を高める理由は人間が群れをなす生き物だからです。

コミュニティには似た人が多くいます。

わかりやすいのが家族でしょう。

家族ほど自分に似ている人たちはいません。

また、学校で仲良くなるのも同じ部活とか同じ趣味がある人だと思います。

この様に、私たちは似ている人に好意を持ちやすいのです。

科学が発展していなかった時代に上記のようなことが言える政はさすがとしか言えません。

群衆は全員を説得する必要はない。一部に火が灯れば、燃え広がり、全てに火が灯る。

政の演説のところばかりになって申し訳ありません。

最後にこれだけ話します。

政の演説の時に立ち上がった男の子(甘秋)を覚えていますか?

「オイラは戦う!
甘仁の子、甘秋っ!
お父は函谷関で戦っていて…だから、お父はお母や妹たちをオイラが守れって…
だから、お母や小さい妹を、敵国の奴隷になんか絶対させないっ!」

甘秋の発言によって蕞(さい)の人たちが戦おうと決意しました。

母親が「失礼よ。」と座らせようとした時、政は「構わん。」と話を続けさせました。

政の説得も甘秋がいなければうまくいっていなかったかもれません。

もちろん想像の話です。

政の実力があれば、甘秋がいなくとも説得できたと思いますが、多少弱まっていたでしょう。

どちらにせよ、一部のやる気のある人からその周辺の人へと伝染させる方が説得は楽なのです。

まとめ

キングダムはまだまだアニメは続いています。

8月21日時点ではキングダム4シリーズの20話までです。

今後も説得に関するものがあれば追記していきます。

お楽しみに。

これはくらぴょんブログの存亡をかけた戦いです。

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