心理学

よくわかる!影響力の武器の要約。ビジネスや人間関係でもつかえるテクニック

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影響力の武器ってどんな本なんですか?
くらぴょん
くらぴょん
今回は影響力の武器の要約をしていこう。


要約 影響力の武器

影響力の武器とは?

影響力の武器は世界中で売れているベストセラーです。

ニューヨーク・タイムズのベストセラー入りを果たし、30以上の言語の翻訳されています。

影響力の武器は以下の6つ

  1. 返報性の原理
  2. 一貫性の原理
  3. 社会的証明の原理
  4. 好意の原理
  5. 権威の原理
  6. 希少性の原理

ロバート・チャルディーニ博士とは?

著者はロバート・チャルディーニ博士です。
チャルディーニ博士は「影響力の父的存在」と注目されています。

これまでに様々な学校の教授を務めており、

・オハイオ州立大学
・カルフォルニア大学
・スタンフォード大学経営大学院
etc

また、クライアントには

・グーグル
・マイクロソフト
・メリルリンチ
・IBM
etc

つまり、影響力というのはマーケティングや営業など、ビジネスで使うことができます。

また、論理的に考える手助けにもなります。

仕事に使いたい人。
自分の行動を変えたい。
インフルエンサーになりたい。
無駄な出費を減らしたい。
投資でうまくやりたい。

という人はぜひ読んでください。

影響力の武器⓪:カッチ・サー

「カッチ」とボタンを押すと、「サー」と流れるビデオテープのように行動してしまうことです。

ヒューリスティックとも呼ばれます。

何かしらの事象が起きた時に、これまでの経験で判断したり、あまり考えたりせずに判断してしまう、思考の近道のことです。

思考の近道をせずに、自分の頭で考えて正しい結論を導き出すには、
情報を正しく判断しようとする「欲求と能力」が必要になります。

逆にいうと正しく判断したいという「欲求だけ」では、正確な判断はできないのです。

影響力の武器で解説されるものは、思考の近道をせず、正確な判断をするための「能力」をあたえてくれるものです。

ヒューリスティックについて詳しく知りたい人はこちら

影響力の武器①:返報性の原理

基礎編


返報性の原理とは、他人から与えられたら自分も同じようなやり方に相手に返すように努めることを要求するルールのことです。

わかりやすくいうと、もらったらお返しをしましょうということです。

バレンタインがいい例です。

バレンタインデーとお返しをするホワイトデーがありますね。

バレンタインデーに貰ったら、ホワイトデーにお返しをしないとって思うでしょう。

これが、返報性の原理です。

返報性の原理が効果的な理由は、人間社会では返報性のルールを守るように教育され、これを守らない人に対して加えられる社会的制裁や嘲笑について知っているからです。

この返報性の原理の面白いところは好感度(相手のことを好きか嫌いか)に関係なく働きます。

「美術鑑賞」という名目の実験に参加した大学生が、もう一人の参加者とともにいくつかの絵画の作品評価を行いました。

ただし、もう一人の参加者は参加者のように振る舞っていますが、じつは実験者の助手です。

二つのグループに分けて、実験を行いました。

一つ目のグループでは、助手は参加者に小さな親切をしました。

休憩時間のあいだに数分間部屋を離れ、本当の参加者と自分のために2本のコカ・コーラを手に取って戻り、参加者に渡しました。

二つ目のグループでは、何も渡しませんでした。

全ての絵画の評価が終わり、実験監督がちょっとのあいだ部屋を空けたときに、参加者は自分の頼み事を参加者に聞いてもらおうとしました。

自分は新車が当たるくじ付きチケットを売っているが、最も多くチケットを売れば50ドルの賞金が手に入る。ついては、1枚25セントのチケットの何枚か買って欲しい、と頼みました。

この研究の主な結果は、参加者が助手に買ったチケットの桁数の違いでした。

助手にコーラをもらったグループの参加者は、もらわなかったグループの参加者に比べて2倍もチケットを購入したのです。

さらに、もう一つの実験によって、助手からコーラをもらっていた参加者の場合、助手への好感度と要求を受け入れる割合の相関関係が全くなくなっていました。

つまり、助手の好き嫌い関係なくチケットを購入していたのです。

返報性の原理には、もう一つ大きな特徴があります。

余計なお世話をされた場合でも、恩義の感情が生まれるようにできているのです。

応用編

最初に親切を施して、その見返りを求める代わりに、最初に譲歩して、そのお返しとして相手の譲歩を引き出します。

これはドア・イン・ザ・フェイスというテクニックです。

分かりやすくいうと、大きなお願いをしてから、小さいお願いをするとお願いが通る確率が高くなります。

300円借りたいのなら、1000円貸してと言った後にいうと借りやすくなるわけです。

研究によると、ドア・イン・ザ・フェイスを使ってお願いをすると、お願いが通る確率が3倍になります。

返報性の原理は人間の心理の中でもかなり強い影響を与えるものですので、これをどうしたら使えるかを考えてみると良いでしょう。

影響力の武器②:一貫性の原理

基礎編


一貫性の原理とは、ほとんどの人には、自分の言葉、信念、考え方、行為を一貫したものにしたい、他者からそう見られたいという原理のことです。

この原理が働くのには3つの理由があります。

1.一貫性を保つことによって、社会から高い評価を受けることができる。
2.一貫性のある行為は、一般に日常生活に有効である。
3.一貫性を思考することで、複雑な現代社会をうまくすり抜けるのに役立つ。

承諾を得るときに鍵となるのは、最初のコミットメントを確保することです。

シュガーマンは、アイスクリームを頼むときに「チョコレートアイスを一つ、ホイップクリームを添えて」と言うと、「シロップ抜きのチョコレートサンデーですね。」と店員に言われ、35セント支払わされていました。

あるとき、チョコレートアイスを頼んで、店員が立ち去るときに、ホイップクリームを添えるように頼んだら、同じ物なのに金額は25セントになっていました。

彼はさらに、友達には「チョコレートアイスを一つ、ホイップクリームを添えて」と言わせて、自分は店員が去るときに伝えて見たところ、同じものが出されたのに友達は35セントだったのに、シュガーマンは25セントだったそうです。

ここからもわかる通り最初にコミットメントしてもらうことで次のお願いも通りやすくなります。


一貫性の原理を働かせるためには、4つのポイントがあります。

行動すること
広く知られること
努力をすること
自分で決めること

店員が立ち去るときに、ホイップクリームを頼むと承諾されるのは一度、注文を取るという行動したからです。

応用編

最初に小さいお願いをしてから、次に大きなお願いをすると通りやすくなります。

これはフット・イン・ザ・ドアというテクニックです。

実験者たちは、「交通安全の市民会」と称して、「安全運転をしましょう」と書かれた看板を玄関先の庭に設置させて欲しいと頼みました。

1つ目のグループには普通に看板の設置を要請しました。

2つ目のグループには2週間前に交通安全のステッカーの貼り付けを要請してから、看板の設置を要請しました。

その結果、1つ目のグループは承諾率が16.7%だったのに対し、2つ目のグループは承諾率が76.0%になりました。

小さいお願いをしてから、大きなお願いをすると承諾率が約4.6倍になります。

もう一つ、ローボール・テクニックあります。

これは、最初にメリットを提示して行動をしてもらった後に、他のメリットを付け加えていき、最初のメリットをなくしても、行動が変わらないというものです。

実験では、節約を行ってもらいました。

初冬に住民は省エネのヒントをもらい、節約を心がけるように頼まれました。

その後、省エネに同意した家庭は公共精神に溢れ、省エネを実践している市民として、新聞に公表されると伝えました。

1ヶ月後にメーターを調べたところ、11.9立法メートルの天然ガスを節約していました。

その後、結局新聞に乗るのは無理そうだと伝えました。

その結果どうなったかというと、2ヶ月目の方が節約率は人減るどころか増えたのです。

1ヶ月目は12.2%だったのに対して、2ヶ月目は15.5%まで上昇しました。

最初のメリットを取り除いても、ほかにメリットがあると人は行動するのをやめないということです。

影響力の武器③:社会的証明の原理


社会的証明の原理とは、特定の状況で、ある行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断することです。

社会的証明は以下の二つの条件において最も強い影響力を持ちます。

・不確かな時
・類似性

不確かな時

状況が曖昧な時は、他の人の行動に目を向け、それを正しいものとして受け入れようとします。

ニューヨークのクイーンズ区で発生した事件が有名です。

20代後半の女性が深夜、仕事から帰宅する途中に、自宅の近くの路上で暴漢に襲われ殺害されました。

女性は声も出す間も無く殺害されたのではなく、大勢の人の前で起きていたのです。

しかし、誰も連絡しなかったのです。

なぜ、このようなことが起きたのかというと、

・助けられそうな人がほかにいることで、責任が少なくなったから。
・全員が不確かな状況だったから。

特に全員が不確かな状況な状況の時は注意が必要です。

類似性

人は異なる人よりも、似ている人の行動に従いやすいです。

大学のキャンパスで行われた募金活動では、募金を呼びかける人が、「私もここの学生です」と言った場合と、暗にほのめかした場合では、前者の方が後者に比べて寄付が2倍上集まりました。

違う学年の人より、同級生の行動に合わせた経験ありませんか?

これは、類似性があるからです。

しかし、類似性が通用しない場合があります。

詳しくはこちらをご覧ください。

応用編

人は多くの人が撮っている行動が正しいと思うことが多々あります。

これをバンドワゴン効果といいます。

・タピオカミルクティー
・行列のできる店
・人気No.1

これらは、バンドワゴン効果のわかりやすい例ですね。

コミュニケーションで使うときは、「多くの人がその行動をしています」と入れます。

実験では、ホテルのタオルの再利用を促すカードを客室に置きました。

そのカードの内容は

1.ほとんどの客がタオルを再利用していると書かれたカード
2.環境保護のメッセージか書かれたカード

この2種類です。

どちらのカードの方がタオルを再利用するか調査しました。

結果、1のカードの方が2のカードが置かれた客室より26%も多くタオルの再利用をしていました。

取らせたい行動は同じでも、社会的証明を入れたほうが効果が高くなります。

影響力の武器④:好意の原理

人は自分が好意を感じている知人にイエスという傾向があります。

好意に影響する要因は

・身体的魅力
・類似性
・お世辞

身体的魅力

身体的魅力とは、外見の良さです。

外見がいい人は才能、親切心、誠実さ、知性といった望ましい特徴を持っていると考える傾向があります。

これをハロー効果といいます。

ハロー効果とは、ある一つの特徴を一つ持っていることによって、その人に対する見方が大きく影響を受けことです。

一つ例を挙げると、外見の魅力が高いと、そうでない人に比べて、給料が12〜14%高くなります。

類似性

人は自分に似ている人を好みます。

ある研究では、実験者が「ヒッピー」か「ストレート」のファッションをして、電話をかけるために10セント貸してくれないか、とキャンパスの学生に頼みました。

実験者が学生と同じようなファッションをしているときは、3分の2以上の学生が頼みを聞きました。

一方で、実験者と学生の服装が類似していないときには、10セント恵んでくれた人は半数もいませんでした。

つまり、人は好意を持っている人の意見を聞きやすく、影響を受けやすくなります。

類似性を出すのに有効なのは、共通点を見つけることです。

お世辞

私たちは人からのお世辞に弱いです。

わかりやすいのが、「モテそうだよね〜」です。

こんなお世辞はないでしょう。

本当にモテる人にはいいません。

ジャニーズのタレントにモテそうだよねという人がいるでしょうか?

いません。

なぜなら、モテるに決まっているからです。

お世辞にもポイントがあります。

本当にすごいと思うところだけ褒めてください。

思わないところで褒めると、掘られたときに逃げ道がなくなってしまうので、本当にすごいと思うところだけ褒めましょう。

応用編

人には栄光浴というものがあります。

栄光浴とは栄光を預かることです。

わかりやすくいうと、自分をよく見せようと思って、望ましいものと自分は関係があるが、望ましくないものと自分は関係がないように見せます。

例えば、自分の地元のチームが優勝したとしましょう。

その時は、私たちは勝った言います。

しかし、負けた時は彼らは負けたと言います。

このように、人は何か印象のいいものと自分を結びつけて、自分の印象を良くしようとします。

普段から、このようなことをする人はパーソナリティ(性格)に問題があることがわかっているので気をつけましょう。

影響力の武器⑤:権威の原理


私たちは権威者から命令されると、正常で心理的に健康な多くの人たちが、自分の意に反していても逆らうことなく、従います。

権威に影響する要因は

・肩書き
・服装
・自動車

肩書き

肩書きは基本的に獲得するのが難しいので、権威のシンボルになります。

わかりやすいのが、結果や資格です。

・全国大会で優勝した。
・Amazonのエンジニアやっている
・お偉いさん

服装

どんな服を着ているかで、影響力が変わります。

実験では、依頼者が通行人を呼び止め、15メートル先にあるパーキングエリアのそばに立っている男性を指さしました。

依頼者は普通の服を着ている時も警備員の服を着ている時も、通行人に向かって同じことを言いました。

「あそこのメーターのそばに立っている男の人が見えますね。彼は駐車時間を超過してしまったのですが、あいにく小銭を持ち合わせていないのです。彼に10セント硬貨をあげてくれませんか。」

この後、依頼者は角を曲がって立ち去り、通行人がメーターのところに着く頃には、自分の姿が見えなくなるようにしました。

しかし、依頼者がいなくなった後でさえも、制服の威力は持続しました。

警備員の服を着ているときには、ほとんど全ての通行人が命令に従いました。

一方、普通の服の時にはそうした人は、半分もいませんでした。

つまり、何を着ているかで、従うかどうかが大きく変わるということです。

自動車

自動車も権威の象徴です。

サンフランシスコで行われた実験では、高級車に乗っている人に対しては、特別な敬意が払われていることが判明しました。

影響力の武器⑥:希少性の原理

基礎編

人は機会を失いかけると、その機会をより価値があるのものとみなす傾向があります。

希少性の原理を利用する技術として、「数量限定」や「最終期限」があります。

希少性の原理が働くのには2つの理由があります。

・手に入れにくいものはそれだけ貴重なものであることが多いので、手っ取り早い手がかりになる。
・製品やサービスが手に入りにくくなるとき、自由を失うからです。

応用編

情報に希少性を与えることで説得力が高まります。

情報の希少性さえ高ければ、私たちはそれが検閲を受けたものでなくても価値を置くようになります。

わかりやすくいうと、「私が独自で入手した情報なんですが」や「あまり他の人には言っていない情報なんですが」など付け加えることによって、2倍以上の効果を与えることができるのです。

まとめ

影響力の武器はいかがだったでしょうか。

わかりやすくするために、他の本も引用していますが、大筋は影響力の武器でまとめています。

影響力の武器を書いているロバート・チャルディー博士は様々な大学や企業に関わっている先生なので、ぜひ読んでみてください。

影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか

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