心理学

私たちはなぜ、お金持ちは悪い人だと思ってしまうのか?

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私たちはなぜ、お金持ちは悪い人だと思ってしまうのか?

こんにちは、くらぴょんです。

今回は、なぜお金持ちは悪い人だというイメージがあるのかを行動経済学から解説します。

最近、中田敦彦さんのYouTube大学で「金持ちになる人、貧乏になる人」という放送がありました。

この放送の中で、貧乏な人はお金持ちにこんな印象を持っているようです。

お金持ちは悪くて冷酷な人

こういうイメージがあるのは、悪いイメージを持つ教育を受けているからだと言っていました。

特に日本は。

胸騒ぎが止まらないよ〜。

私はここで思いました。

悪いイメージを持ってしまうのは、本当に教育だけのせいなのだろうかと。

他にも理由はあるのではないか。

たまたま読んだばかりの本と繋がったのです。

その本は、「予想どおりに不合理」です。

さあ、解説していきましょう。

嫌儲バイアス

なぜ、お金持ちを悪い人だと思ってしまうのか?

嫌儲バイアスがあるからです。

金儲けは汚いと思い込む性質です。

これがあるせいで、お金持ちは悪く冷酷というイメージを持ってしまうのでしょう。

しかし、これが原因だとは思いません。

もっと奥深いところで影響していると思います。

さぁこれから行動経済学の観点から見ていきましょう。

社会規範と市場規範

社会規範…人間の社交性や共同体の必要性とは切っても切れないもの、友だち同士の頼みごと
市場規範…独立独歩、独創性、個人主義、対等な利益と迅速な支払い

社会規範

これは友達同士の頼みごとのように、何かをしてもらってもすぐにお返しをする必要もありません。

また、お金を求める関係でもありません。

例えば、友達に引っ越しを手伝って欲しいと言われました。

日程も予定が入っていません。

あなたは手伝いますか?

多くの人が手伝うと思います。

私も手伝います。

相手が嫌いなやつでなければ。

市場規範

分かりやすくいうと、会社とあなたのような関係です。

例えば、あなたが会社から来月の給料を1万円下げると言われたとしましょう。

するとあなたは来月から、働く量を少し下げるはずです。

なぜなら、対価に見合う報酬が得られないからです。

実験でも同じ結果が出ています。

パソコンの画面の左側に円が表示され、右側に四角が表示されます。

マウスを使って、できるだけ多く円を四角に移動させる課題です。

三つのグループに分けてこの課題をしてもらいました。

・5ドル受け取るグループ
・50セント受け取るグループ
・社会的な頼みごとをしたグループ

結果は

・5ドルグループ   159個
・50セントグループ 101個
・社会的グループ   168個

これは当たり前のことです。

今さら2Gでアプリもまともに使えない、容量が16GのiPhoneに10万円も出して買う価値はあるか?と聞かれたら、120%「あるはずがないだろ」と答えると思います。

驚きなのは一番多いのがお金をもらえない社会的なグループだということです。

なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?

合理的に考えれば、報酬がもらえる方が頑張ろうと思うはずですし、単純作業なので結果も上がるはずです。

高い報酬は単純作業の時は効果があると研究で出ており、今回は単純作業なので報酬が高い方が結果が出るはずなのです。

ですがそうはいかなかった。

その理由はなんなのでしょうか?

入り混じる世界

社会規範の時にお願いされた友達の例を少し変えてみてみましょう。

先ほどの引っ越しから2年後、友達がまた引っ越しをするそうです。

今回は1000円払うから、1日手伝って欲しいとお願いをされました。

どう思いましたか?

「1日使って1000円かい」と思った人も多いのではないでしょうか。

実は、社会規範と市場規範は別々にしておけばうまくいきます。

ですが、これらが混じると急にうまくいかなくなります。

引っ越しの例でも、少ないからやめとこうかなと思った人はいるでしょう。

手伝わない人が増えると思います。

こう言えるのも、ダン・アリエリー先生が面白いことをしてくれたからです。

弁護士に1時間あたり30ドル程度の低価格で、困窮している退職者の相談に乗ってくれないかと依頼した頃、弁護士たちは断ったそうです。

逆に、相談に無償で乗ってくれないかと依頼すると、引き受けた弁護士の数が増えたそうです。

あなたも弁護士もなぜ、お金が発生すると、引き受ける(引っ越しや相談)のをためらうのでしょうか?

それは、考えの中にいったん市場規範が入り込むと、社会規範が消えてしまうからです。

要は人間関係にお金が入ってくると、社会的なつながりは弱まるのです。

お金が原因で人間関係がグズれるって言いませんか?

それから、プレゼントも値札は取って渡しなさいと教わりませんでしたか?

プレゼントも同じで市場規範(金額)がわかると人の気分は上がりにくくなります。

そんなことない!

と思う人もいるでしょうがこれが事実です。

「私の子供がしてくれることだったらなんだって嬉しい!」と思う人もいるでしょう。

確かに、「2歳の子がママいつもありがとう」と10円ガムをくれたら、それはそれは嬉しいでしょう。

しかし、20歳のお子さんにもらったら?

2歳の時にもらったという思い出がなければ、「10円ガムかい」と思うのではないでしょうか。

受け入れがたくても一旦受け入れて欲しいのです。

受け入れることで、次のステップに進むことができるからです。

社会VS市場

入り混じる世界ではどっちが強いのかが気になります。

これらは同時に存在するのは難しいものだからです。

サッカーや野球でもどっちが強いかを必ず決めようとします。

相手チームに友達がいるからといって、「仲良く引き分けでいいよね」とは絶対なりません。

結論から言いましょう。

入り混じる世界で優勢なのは市場規範です。

例えば、お金のことを考えるだけで社会的動物的な振る舞いをしなくなってしまうことが研究によって明らかになっています。

独りを好んだり、協力を求めなかったりするのです。

さらに、市場規範が強いだけではありません。

市場規範の効果は長く続くのです。

イスラエルの託児所で行われた研究では、子供の迎えに遅れてくる親に罰金を科すのは効果的かどうかを調べました。

その結果、罰金はうまくいかないどころか、長期的に見ると悪影響が出ると結論付けました。

罰金がある前は、親は社会規範で動いていました。

遅れることの罪悪感から時間通りに迎えに行こうとしていました。

しかし、罰金制度が入り、市場規範に切り替わったことで、迎えの遅刻が増えるようになったのです。

さらに、罰金制度をなくしても、遅刻は減らなかったのです。

むしろ、罰金がなくなったことによってさらに遅刻は増えました。

つまり、市場規範(お金)を持ち込んでしまうと、人は社会的でない行動をとりやすくなるのです。

まとめ

最初の私の仮説に戻りましょう。

お金持ちは悪くて冷酷な人というのは教育のせいだけではなく、もっと深いところで影響しているのではないかということです。

この仮説の答えは以下の通りです。

お金持ちについて考えるとき、その人は個人主義で人と関わらない人だと考えてしまうのでしょう。

それによって、温かさに欠ける人だと考える傾向があると考え、最終的に、お金持ちは悪くて冷酷な人だと考えてしまうのだと私は思います。

人にはこのようなバイアスがあると分かったので(思考実験ではありますが)皆さんもお金持ちだからといって悪い人だと思わないようにしましょう。

お金持ちは良い人が多いです。

本当の腐った詐欺師を除いては。

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