ファスト・アンド・スローを分かりやすくまとめてみた。
こんにちは、くらぴょんです。
今回はファスト・アンド・スロー(上)の解説をしていきます。
行動経済学の本をまとめていますので、興味があればこちらも読んでみてください。
ファスト・アンド・スローとは?
今回解説する「ファスト・アンド・スロー」は、ダニエル・カーネマンというノーベル経済学賞を取得した方が書かれた本です。
行動経済学の基盤となるもので、ベースの本というべきでしょうか。
なので、行動経済学を勉強する人は必読の本です。
分かりやすくいうと、5教科(国語・数学・理科・社会・英語)のようなものです。
中学生・高校生は必ず勉強しなければなりません。
ファスト・アンド・スローは経済・心理学を学ぶ人にとっての主要5科目の一つのようなもので、必読書だと思ってください。
では、これからファスト・アンド・スロー(上)について解説していきましょう。
人間の意思決定の仕方
人間には2種類の意思決定者がいます。
もちろんあなたの中にも2種類存在します。
この2種類は何かというと、システム1とシステム2です。
システム1…速い思考(ファスト・fast)よく直感とも言われる。
システム2…遅い思考(スロー・slow)よく論理的思考とも言われる。
※だから本のタイトルが「ファスト・アンド・スロー」
人間の脳はサボるのが大好きです。
私もそうですし、きっとあなたもそうだと思います。
できるだけ考えたくない生き物です。
そこで活躍するのが、システム1です。
システム1
システム1はとても高速で答えを導き出してくれます。
しかし、このシステム1は間違った答えを出しやすいのです。
例えば、思いついたことだけで判断したり、時には感情に流されて判断したりと合理的ではないことをよくします。
少し、話はそれますが、経済学は人間は合理的な生き物であることを前提にした学問でした。
しかし、人間は常に合理的ではなく、多々不合理な判断をすることがわかっていました。
そこで、生まれてきたのが行動経済学なのです。
最初は経済学者も受け入れなかったようですが、最近ではダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞をとったこともあり、かなりホットな学問になってきました。
話を戻しましょう。
システム1は時に不合理な判断を行き過ぎたほどにしてしまいます。
分かりやすいのがギャンブルでしょう。
システム1だったら儲かりそうか・稼ぎたいかだけで判断してしまいます。
だから、借金を抱える人がいるのです。
私たちが、ギャンブルで借金をしないのは「システム2」が働いているからです。
システム2
システム2を働かせると、
・どのくらいの確率で勝てるのか。
・どのくらい儲かるのか。
・どのくらい損失がでるのか。
・そこから求められる破産確率はどのくらいなのか。
このようなことを考えます。
分かりやすくいうと、
システム1 = アクセル
システム2 = ブレーキ
システム2は私が合理的に判断するために活躍してくれます。
しかし、このシステム2はおサボりが大好きです。
自分で考えようとしないと、働いてはくれません。
考えようとしても、疲れていると働いてくれません。
ですが、こんなシステム2に助けられているもの事実です。
では、システム1だけで判断するとどうなるのでしょうか?
詳しくは本書を読んでもらうとして、1つ紹介しましょう。
利用可能性ヒューリスティック
飛行機を乗るの怖い感じしませんか?
「墜落したらどうしよう…」と。
では、車を乗るときに「事故ったらどうしよう。」と思いながら車に乗る人はどのくらいいるでしょうか?
飛行機と車どっちが乗るのが怖いか聞くと多くの人が飛行機だと答えます。
私の友人に聞いても飛行機だと答えました。
しかし、飛行機の方が事故に遭う確率は低いです。
なぜ、こんなことが起きるのでしょうか。
それは、利用可能性ヒューリスティックがそうさせているのです。
利用可能性ヒューリスティックとは、
事例が頭に浮かぶたやすさで頻度を判断することです。
分かりやすくいうと、記憶に残りやすく、イメージしやすいものの頻度や確率を多く見積もるということです。
先ほども出した、飛行機事故の確率を考えてみましょう。
どのくらいの確率で死亡事故に遭遇すると思いますか?
答えは0.0009%です。
10万回乗って、1回あるかどうか?
では、車は?
車で死亡事故に遭遇する確率は0.03%です。
1万回に3回です。
私も最初はマジでか!?っと思いました。
実は車の方が危ないのです。
私たちが飛行機を恐れるのは、飛行機が事故を起こした映像を鮮明に覚えているからです。
つまり、車の事故よりも飛行機の事故の方が思い出しやすいから、危険だと思ってしまうのです。
利用可能性ヒューリスティックの例
利用可能性ヒューリスティックの例をいくつか出してみましょう。
・注意を引きつけるような目立つ事象は、記憶から呼び出しやすい。
・世間の耳目を集めるような事象は、一時的にそのカテゴリーの利用可能性を増大させる。
・直接経験したこと、写真、生々しい事例は記憶に残りやすく利用可能性が高まる。
つまり、思い出した内容や数よりも思い出しやすさが大きな影響を与えるということです。
基本的に思い出しやすい情報は重要であることが多いです。
携帯の電話番号も大事な人・繋がりが強い人は覚えているのではないでしょうか。
しかし、思い出しやすさで判断してはならないということです。
利用可能性ヒューリスティックを防ぐには以下のように考えてみましょう。
「思い出しやすさだけで判断していないか?確率を考えているか?」
そこで出てくるのかどうしたら正確な確率や計画を考えられるのかですよね。
それは、ファスト・アンド・スローの下で説明しましょう。
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